「できた!」より嬉しい瞬間。スケートボードで見つける、子どもの小さな成長
スケートボードのスクールでは、毎日のように「できた!」という瞬間があります。
初めてボードに乗れた。
初めてプッシュできた。
初めてオーリーが浮いた。
初めてトリックを成功させた。
もちろん、どれも嬉しい瞬間です。
子どもが「できた!」と笑う顔を見ると、教えている側も本当に嬉しくなります。
でも、長く子どもたちを見ていると、
「実は、もっと嬉しい瞬間がある」
と思うようになります。
それは、技が成功した瞬間ではありません。
「もう一回やる」と言った瞬間
何度やってもできない。
転ぶ。
怖くなる。
少し嫌になる。
「できない」と言う。
そんな時間を過ごしたあとに、
「もう一回やる。」
と自分から言った瞬間。
僕は、こういう瞬間がとても好きです。
なぜなら、そこには技術以上の成長があるからです。
オーリーが10cm高くなった。
50cm高くなった。
それももちろん成長です。
でも、
「できないから、やめる」ではなく、
「できないけど、もう一回やってみる」
に変わったこと。
これは、数字では測れません。
でも、その子の中には確実に残っていきます。
転んだあとに、自分で立ち上がる
スケートボードでは、失敗は避けられません。
転ぶこともあります。
思い通りにいかないこともあります。
最初は、転ぶたびに先生を見ていた子が、
いつの間にか、
転ぶ
↓
自分で立つ
↓
ボードを拾う
↓
また並ぶ
ということを当たり前にやるようになる。
これも、ものすごい成長です。
技が増えたわけではありません。
でも、
「失敗しても大丈夫」
という感覚が、少しずつ身体に染み込んでいます。
これはスケートボードの外でも、きっとその子を支えてくれます。
友達の「できた!」を、自分のことのように喜ぶ
もう一つ、嬉しい瞬間があります。
自分ではなく、
友達が技を成功させたとき。
「すごい!」
「今の見た!」
「もう一回やって!」
と、一緒になって喜ぶ。
これも立派な成長です。
最初は自分のことで精一杯だった子が、
いつの間にか周りを見るようになる。
友達を応援するようになる。
年下の子に声をかけるようになる。
こういう変化は、技の数には記録されません。
でも、スクールにいるからこそ見える成長です。
子どもの成長は「技の数」だけでは測れない
親御さんからすると、
「今日は何ができるようになった?」
というのは、当然気になると思います。
でも、ぜひもう一つ見てほしいものがあります。
「今日は、どんな変化があったか。」
です。
以前より怖がらなくなった。
自分から練習するようになった。
失敗しても怒らなくなった。
友達に優しくなった。
先生に自分から質問するようになった。
「もう一回」と言うようになった。
以前はできなかったことに、自分から挑戦するようになった。
こういう小さな変化こそ、
子どもの成長の本質なのかもしれません。
「できた!」の裏側にあるもの
技が成功するまでには、
たくさんの失敗があります。
転んで、
悔しくなって、
考えて、
試して、
また失敗して、
それでも続けて、
ようやく「できた!」にたどり着く。
だから僕たちは、
「できた」という結果だけを見ているわけではありません。
その前にある、
「できなくても続けた時間」
を見ています。
そして、その時間こそが、
子どもを少しずつ強くしていくのだと思います。
スケートボードを通して、何を身につけるのか
スケートボードの技術はもちろん大切です。
上手くなれば楽しい。
できることが増えれば、もっと楽しい。
それは間違いありません。
でも、
スケートボードを通して身につくものは、
技術だけではありません。
挑戦すること。
失敗すること。
考えること。
続けること。
人と比べすぎないこと。
自分の成長を自分で感じること。
そして、
「自分なら、もう一回やってみよう」
と思えること。
僕たちが子どもたちに届けたいのは、
そんな経験です。
一番嬉しいのは、「できた!」のその先
だから僕にとって、
「できた!」
という瞬間はゴールではありません。
その先にある、
「もう一回やってみたい」
「次はもっとやってみよう」
「友達にも教えてあげよう」
「失敗したけど、もう一度やろう」
という気持ちのほうが、もっと大切です。
スケートボードを続ける中で、
技術だけではなく、
その子自身が少しずつ変わっていく。
その瞬間を見ることが、
僕たちにとって一番嬉しいことです。
スケートボードを教える場所。
もちろん、それも僕たちの仕事です。
でも、本当に見届けたいのは、
スケートボードを通して成長していく、一人ひとりの子どもの姿。
「できた!」の数だけでは見えない成長があります。
ぜひ、そんな小さな変化にも目を向けてみてください。
きっと、
「こんなところまで成長していたんだ」
と思える瞬間が、見つかるはずです。